FF16作中内に登場する吟遊詩人に関して。

吟遊詩人に関して

16作中においてはシドの隠れ家に吟遊詩人(後にクライヴが新しい拠点において彼らとの絆が深まった為に名前が詩人:ルカーンだと判明する)がおり。

クライヴとシドが青年期最初にロストウィングの村人を救出した後にカウンターの傍でバハムートのドミナントとして誇り高く空を舞うディオン・ルサージュを称える歌を奏でるもの。

ノースリーチの井戸に腰掛けている吟遊詩人がフェニックス教団の者であると明らかにされるなど本編において関わり合いが深いです。

実際の中世においてトルバドゥール※と吟遊詩人は深い繋がりがあり、有名なのは宮廷風恋愛と騎士道です。

※トルバドゥールの語源は「作る、考案する、見出す」のオクシタン語の動詞トロバールから派生したものだと考えられています。

トルバドゥールの詩は、中世において低められていた女性の見方を純化させ、誉れ高いもの、立ち振る舞いにおいて相手に相応しい敬意を振舞えるようにと宮廷内に置ける男性の立ち振る舞いにおいて大きな役割を果たしています。

ルカーンはクライヴの生涯の軌跡を非常に厳しい現実における悲しみや苦しみ、痛みも合わせて奏でています。同時に彼の存在は隠れ家のメンバーにおいて彼らの生き様や信念も奏でており。

人とベアラーの間に産まれたテトとクロという双子がいますが、彼らの両親が人らしくその人に相応しい存在にお互いなれるように双方の想いを高め合いながら彼らが産まれて来たと考えるなら吟遊詩人がずっと拠点内にいるのには大きな意味がありますね。

他だと壮年期初めにタブアンドクラウンを仕切っているメイヴに恋している飼育係のサモも居たりして。

こちらは女性を対等に、という見方よりごく自然に人らしく好きになったと考える方がしっくり来ます(笑)同じサロン内にこうしたやり取りが詰まっているのがインビジブル拠点内においてそれぞれの立ち位置が深いなと思います。

トルバドゥールは他では当時の社会や政治問題も扱ったものもあります。

ノースリーチにジョシュアが遣わしている吟遊詩人を装った教団のひとりはそうした意味合いもありそうです。中世においても当時のニュースメディアであった。

各地の宮廷や貴族達の間を渡り歩き、ニュースを収集し歌や物語を交換する。

親しみやすい調べは民衆にも覚えやすく世論に大きな影響を与え、種々の大義の元に民衆を結束させる。

ルサージュ卿に関する調べも遣わした教団のメンバーが交換し合っていたと考えるならジョシュアがディオンの元に姿を現しこれまでの経緯と今このヴァリスゼアに何が起きているのか説得させるには非常にやりやすいのだと吟遊詩人の背景を考えると見えてきます。

あの本が人の歴史へと移ったヴァリスゼアに残ったのであれば。

この世界における吟遊詩人―トルバドゥールもまた愛の歌の価値以上にヴァリスゼアにとってはクリスタルに代わる遺産として残り続けたのだと彼らから伝わってきますね。